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保険のはなし

知床観光船事故と保険の関係性

こんにちは。岐阜支店の高橋です。
依然として、たびたびニュースに取り上げられる「知床観光船事故」。本当に痛ましい事故ですが、今回の船舶事故と保険の関係性について、興味深い記事(※)があったため、取り上げてみたいと思います。

観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」の沈没事故では、海上保安庁が捜査する運航会社「知床遊覧船」に対する刑事責任の追及と並行して、会社側から乗客の家族らへの補償交渉も進められています。金銭面は保険金で賄われるとみられますが、乗客によって補償額が異なるケースも想定され、解決への道は容易には見通せないとのことです。

船舶の場合は、3種類の保険に分かれます。

船体保険 船舶自体の損害等を補償する保険
船主責任保険船舶の運航などに伴う賠償金などを補償する保険
船客傷害賠償責任保険乗客らへの賠償金などを補償する保険

身近な自動車保険に置き換えてみると・・・

船体保険車両保険 車の損害を補償する保険
船主責任保険対人対物賠償保険 事故の相手の人やモノへの賠償金などを補償する保険
船客傷害賠償責任保険人身傷害保険 搭乗中の人に対して死亡時の逸失利益やケガの治療費、慰謝料などを補償する保険

といったところでしょうか。

事業会社側は、1人上限1億円の「船客傷害賠償責任保険」に加入していると説明がありましたが、これは上限が1億ということで、実際の賠償額は逸失利益や慰謝料を年齢や年収などで計算され、各個人によって変わってくるため、保険金がいくら支払われるかはケースバイケースになります。

船舶事故では通常、運航責任者である船長が一義的な責任を負いますが、商法上では、船舶所有者も共同賠償責任を問われます。カズ・ワンの船長はいまだ行方不明のままですが、 船長といえど、雇われ船長として、また恐らく社長の言われるままに運航をしていたと思われるにも関わらず、運行責任者として刑事・行政だけでなく民事的な責任を問われるということです。本来は被害者の一人でもあるはずの船長。その家族が民事上の責任を相続するということは大変恐ろしいことです。

また、保険適用については、船体の引き揚げ費用は国費が充てられる一方、船体そのものは「船体保険」で補償対象になりますが、事業者側の重過失などのほか、出航時に安全な航海に適した状態でなかった場合も免責事項に当たるため、荒天が予想される中での出航判断が問われることになりそうです。
今回のように事業者側に支払い能力がない場合、保険会社の非常に役割は大きなものとなります。知床観光船事故は社会的にも注目されている事件であるため、保険会社側も通常より柔軟に、被害者家族とも争いを起こさない方向で検討するのではないかと業界関係者は見ています。

今回の事故は、まさに『保険』が被害者救済のために重要な役割を果たすということを非常に感じています。私自身も、保険という職業に携わり、人に役立つ仕事をしているという誇りをもって、仕事に取り組んでいきたいと感じたニュースでした。

岐阜支店 高橋

※参考記事
知床観光船事故 保険適用どこまで…先行き見えぬ乗客家族への補償. 産経ニュース. 2022/06/01. https://www.sankei.com/article/20220601-2YRYM6WT45K6VCKQ2N3EZNPMZ4/

投稿日:2022.06.16

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