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企業向け賠償保険の守備範囲
企業を取り巻くリスクの中で、事業活動に伴う損害賠償責任というのは非常に大きなリスクかと思います。
損害賠償保険の中には、民法上、債務不履行責任(415条)と不法行為責任(709条)がありますが、保険でカバーするのは主に不法行為責任になります。また、その中でも事故の対象や態様によって対応する保険が違っています。以下、ご紹介したいと思います。
- 施設賠償責任保険:建物や施設の所有・使用・管理に伴う事故を補償します。オフィスワークの社内外で起こる対人・対物事故はこの保険でほぼカバーできるのでほとんどの職作業に必要な保険と言えます。
- 生産物賠償責任保険:PL保険として、有名かと思いますが、製造物による対人・対物事故を補償します。物作りの職業には欠かせない保険です。
- 請負賠償責任保険:工事・作業に起因する対人対物事故を補償します。建設業等の物理的な作業が必要な業種に必要な保険です。
- 受託者賠償責任保険:業務に伴い管理する受託物・借用財物・支給財物の損害を補償する保険です。
- 更に近年、リスクの多様化に伴い、様々な保険が出てきております。E&O (※1) 保険(業務過誤賠償責任保険)では、製造物の欠陥による対人対物事故が起きなくても、相手方の経済的損害を補償できます。また、情報漏洩やIT関係のトラブル・事故を補償するサイバー保険、従業員へのセクハラ・パワハラに対する補償として、雇用慣行賠償責任保険という保険もあります。 (※1) Errors & Omissionsの略
5.のように、新しいリスクに対応する保険の中には不法行為責任だけでなく、一部の債務不履行責任までカバーできる保険も登場するようになりました。
業務において何かご不安な事項がございましたら、ウィッシュ担当者までお気軽にご相談いただければと存じます。
(WISH NEWS 2021-22年 冬号掲載)
東京支店 山口 和浩
投稿日:2022.03.10
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